【食器やカップに咲き誇る】「インドの花」とは?扱うブランドなど【マイセン、ヘレンド】
こんにちは、ユカです。
お花の模様のあるお皿やカップはないかな?
と、探していると「インドの花」という文字を見たことはありませんか?
数少ない色彩しか使われていないのに、感じられるその華やかさ。
どことなくエキゾチックな香り…。高貴さも含んでいる本当に美しい模様。
今回は、そんな魅力的な「インドの花」についてお話ししていきます。
「インドの花」とは?いつ成立したもの?
ティーカップ やお皿といった焼き物の上に、お花の模様が描かれた
東洋風の雰囲気のあるものを「インドの花」と総称します。
これに厳密な分類はありません。
例えば、インドのものではなく、日本や中国のものでも「東洋っぽい!」と感じられれば、
全て「インドの花」となったということです。
なかなかざっくりしていますね(笑)
なぜインドなのか?
では、なぜインドなのでしょうか。
中国磁器貿易を軌道に乗せたのは、オランダ東インド会社でした。
東洋の物産を運んだのも、この会社です。
日本の柿右衛門であっても、ヨーロッパに輸出するための最後の出航国であるインドのもの、とされました。
東洋のものは全部まとめて「インド」となったのですね。
やっぱり少しざっくりしてますね。
その特徴とは?
「インドの花」の特徴なのですが、「東洋的」ということです。
例えば、西洋画と日本画を思い浮かべてみてください。
西洋画は、沢山色が重ねられていたり、影がつけられていたり、
立体的なイメージがありませんか?
それに比べると、日本画は均等に色が塗られていたり、立体的というよりは
平面的なように思いませんか?
日本だけではなく、中国など、東洋の絵画にはこのような特徴があると思います。
この東洋的な絵の特徴こそが「インドの花」です。
立体的な絵画を鑑賞していた当時のヨーロッパの人々にとって、
平面的で均一な色が物珍しく、新鮮に感じたのかもしれません。
日本人が西洋の絵画に憧れるのと同じ感覚でしょうか。
「インドの花」を持つブランドは何がある?-①『ヘレンド』
それでは、「インドの花」の食器はどのようなものがあるのが実際に見てみましょう!
「インドの花」を取り扱うブランドとして、まず『ヘレンド』があります。
ヘレンド:1826年に創業したハンガリーのブランド。
東ヨーロッパでは伝統のある窯です。
当時はオーストリアの支配下にあり、ハプスブルク家の保護の下にありました。
宮廷の保護下にあったということで、その磁器には豪華さが表れています。
ヘレンド 「インドの華」(ヘレンドは「華」と表記しています)
(https://herend.jp/SHOP/287962/list.html )
例えばこちら。ヘレンド特有の ”ヘレンドグリーン”が美しいですね。
お花がペタッとして平面的・二次元的です。
ですが、そこには宮廷らしい高貴さと、圧倒するような華々しさもあります。
立体感はないですが、お花や植物がカップの中に閉じ込められ、押し花のよう。
まるで、ティーカップの中で生き続けているかのようです。
こちらは先ほどと違うデザイン。形がしゅっとしています。
白い地に咲く、ヘレンドグリーンのインドの花。
金色で縁取られ、繊細な高価さが表れているティーカップ&ソーサーだと思います。
ブランド②『マイセン』
続いてご紹介するのが、ドイツの『マイセン』です!
(マイセンの歴史などについては、過去のブログにもあります。)
マイセン:1710年にドレスデンのマイセンで誕生。
当時はヨーロッパ全体が「シノワズリー」(東洋趣味)ブームであり、
マイセンの創業者、アウグスト強王も東洋磁器に夢中になった一人でした。
王が東洋のデザインに夢中になったということで、初期のマイセンは
東洋風のデザインが多く生産されました。
「インドの花」が多く作られたのも、それが理由です。
マイセン「インドの花」(マイセンは「花」の表記です)
(https://shop.meissen-jp.com/shopbrand/ct18/)
先程のヘレンドとは違い、赤色です。
この赤も絶妙な色で素敵ですよね。
真っ白な地に赤を重ねると、赤の主張が強くなってしまいがちですが、
この赤はザクロのように暗めで、落ち着いた品のある色です。
お花の中に気高さも感じられます。
このカップでも感じられるのは、やはり模様が二次元的であること。
エキゾチックな雰囲気がありますね。
ヨーロッパの人々が、遠い東洋の世界に恋い焦がれたのも
分かるような気がします。
マイセンでも、緑色のインドの花がありました。
ヘレンドのものと比べてみると、結構違いが見つかります。
色、デザイン、質感…
当たり前ですが、同じ模様でも、窯によって全く違うなと
感じます。どちらも本当に美しいですね。
こちらの緑色は少し落ち着いた色。
また、マイセンの方がお花が小さく、散りばめられているかのようです。
ヘレンドの取手はツンと上向きですが、マイセンは丸く下がっています。
雰囲気が違いますね。どちらも素敵!
ヘレンドがパッと咲く豪華な花だとしたら、
マイセンは可憐に小さく咲く可愛らしいお花。
それぞれの表記が「華」か「花」で異なる理由が
なんとなく分かるような気がします。
皆さんはどちらがお好きですか?
「インドの花」の食器はどこで買える?
「インドの花」の食器がどこで買えるのか、についてですが、
すでに画像をあげた通り、
ヘレンド公式オンラインショップ
などがあります。そのほかにも、
など、輸入食器の専門店もあります。
偽物も出回ったりするので、
多少高価でも公式サイトから購入するのが安心だと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「インドの花」の特徴と、それを扱う代表的な2つのブランド
ヘレンド、マイセンのカップ&ソーサーをご紹介しました。
より一層ティーカップや磁器が好きになって頂けたら嬉しいです。
また、今回ブログを書くにあたって、こちらの書籍を参考にしました。
よりマイセンやヨーロッパの磁器について知りたい!という方にオススメです。
三杉隆敏『マイセンへの道 東西当時交流史』東京書籍(1992)
それでは、ごきげんよう。